幻のアンコール聞こえた?

人生何があるか分からない、だから面白い

笑いの方程式  

先日のラジオでのオープニング話。
宇治原さんのお姉さんが市役所で働いてるそうなんですが、そこにきたおじいさんが
お姉さんの”宇治原”姓を見て、テレビに出てる宇治原と一緒やな、と。
まあ宇治原さんの身内とは気付かなかったようですが、苗字が一緒ということで
宇治原さんへのダメ出しを始めるおじいさん。
とはいえまあ仕方なくお姉さんも聞いてたんですが、話題は相方菅ちゃんの話へ。
とここで宇治原さんが、自分の家族について
「僕のこと言われてもまあまあとスルー出来るけど、菅さんのことを言われたら
ちょっと反論したくなる」
と言ってたんですね(「菅さん家もそうだと思うんですけど」「いや、うちはそんなこと
ないです」とかいうやり取りもありましたが・笑)。
確かに、自分及び身内よりも自分が好きな人を悪く言われる方が反論したく
なりますからね。


で、ふと思い出したのが、4月16日放送の「よーいドン」でした。
とはいえ映像で見たわけではなく、よそ様のレポや図解などで見た程度ですが。
だったんですが、先日Mさんとお会いした時に映像を分けていただきまして
(ほんとありがとうございます!)もうきゃっほーという感じで見たわけです。
この日の関西ワーカーはサイクルプロデューサー。主に輸入自転車の販売で
あったり、オーダーメイドの自転車を作ったりしている方のところに行ってました。
でもって、色々紹介した後実際に自転車に乗ろうということで公園に行く面々
(ロケ目撃情報によると靱公園だとか。この公園の近くに美味しいハンバーガーの店が
あるんですよね。そのうち買いに行って靱公園で食べたいわ。あ、話がそれた)。
そして宇治原さんがロングテールの自転車(後ろに荷物が積めるようになっている)に
乗ろうとするんですけど、その時のやりとり

菅「後ろ乗せて欲しいわあー」
宇「後ろに? 法的にアカンから無理や」
菅「荷物やったらええんやろ」
宇「荷物やっ……(言いかける)」
菅「俺ロザンのお荷物や誰がお荷物や!」
宇「……」

無言で自転車にまたがる宇治原さん。
菅ちゃんがてってってっと近付いて行って宇治原さんの背中を無言でぽんぽんと二回叩いてました。

今これ書くためにもう一度見返したんですが(というかこのシーンだけ何度見返したよ、って
感じなんですが)なんかねえ、もう、ねえー……。
私は、宇治原さんという人は正直ツッコミにはあまり向かない性格をしているんじゃないかと
ずっと思っていたりします。なんというか、ツッコミを全うするには優しすぎるというか。
能力的には申し分ないんですけどね。とか書くとものすごい偉そうなんですが(笑)。
笑いというのは日常だったり常識だったりからのズレを楽しむものだと思ってるんですが
ツッコミというお仕事はそのズレを修正しつつこういう風にズレてますよーというのを
分かりやすく的確にベストのタイミングで指摘すること、だと思うのです(それが全てでは
ないですけども)。
頭が良く回転も速く多少ぼんやりした表現でも即座に理解出来る宇治原さんという人は
本当にツッコミとして申し分ない能力を持っているよなーと思います。
ですが同時に、ツッコミというのは相手のズレを指摘するわけですので、それはつまり
あなた間違ってるよ、というのをばしっと指摘するということでもあるわけです。
このズレって、分かって言ったりやったりしていたり、分かってなくても受け入れられれば
いいんですが、本人がズレだと全く認識していない(しかも認めない)場合だと、そのツッコミと
いうのは単なる失礼な行動になってしまう場合もあるんですよね。
優しいし一般常識もしっかり備わっている宇治原さんの場合、この場合のツッコミは失礼
なんじゃないかとか、言われたら嫌なんではないだろうかとか色々考えてしまって
ツッコミに徹しきれない時があるよなあ、と。
あともうひとつ。なんとも素直なんですよね。
何度か書いてますが、宇治原さんって言われた事を(それがむちゃくちゃなことであっても)
一度受け入れて咀嚼して味を確かめてから判断を下す癖があるから、どうしても
スピードとタイミングが大事なツッコミにおいて、微妙にタイミングを外してしまう、と。
多分ご本人もそれは分かっていると思うので、なので彼のツッコミってまずオウム返しから
入る事が多いんだろうなあ、と。例えば「奥目ですねー」と言われたらまず「誰が奥目やねん!」
と言ってから何か他の事を言う、という(この辺りはあんま絡んでない人だとオウム返しで
終わる事も多いんですが)。

でもって。上記の事を踏まえて例のシーンを見るとまあ色々と考えてしまう訳です。
お笑い素人の私が言うのもなんなんですが、多分あのシーンの正解(の一つ)は
こういうやりとりだったと思うんですね。

菅「後ろ乗せて欲しいわあー」
宇「後ろに? 法的にアカンから無理や」
菅「荷物やったらええんやろ」
宇「荷物やっ……(言いかける)」
菅「俺ロザンのお荷物や」
宇「せやったなー、お前はロザンのお荷物やから載ってええで」
菅「ありがとう(と言って載りかける)……誰がロザンのお荷物や!(ばしっ)」

菅ちゃんのボケに対して宇治原さんが乗っかって、そして菅ちゃんがツッコミを入れる、という。
もちろん宇治原さんは(菅ちゃんも、でしょうが)菅ちゃんがロザンのお荷物だなんてこれっぽっちも
思っていないし、菅ちゃんもまた、宇治原さんがそんな風に思うことなどないと分かっている。
だからそんなやり取りをしても、それは笑いの為の嘘だと双方がちゃんと理解しているわけです。
なんですが。
でも宇治原さんは言えなかった、というよりも、言えないと菅ちゃんが即座に判断して菅ちゃんが
自分で言った、という感じでした(本当に一切口を挟ませないスピードで「誰がロザンのお荷物や」
と言いましたから)。
宇治原さんという人は優しくて素直で言われた事を一度受け止める、と上に書きましたけど
受け止めた上で、「せやな、お荷物やな」とは言えなかった。
全くそんなことは思ってないし、菅ちゃんを悪くは言いたくない。けれど「そんなことないで。
お荷物なんかやないで」と言ってしまったら笑いにならない。
そして宇治原さんは無言で自転車にまたがります。少し困った顔をして、一応笑顔を作ろうとは
してるんですけど、なんというか……。
ほんっとにもう、この人はもう、という感じです。
そして多分その一瞬の間に色々な事が頭をよぎったと思うんですよね。菅ちゃんを悪く言いたくない。
でもじゃあ何て言えばいいのか分からない。とか思っている間にタイミングを逃した。
俺どうしようもねーなー、とか思ってたら菅ちゃんがてってっと近付いてきて無言で背中をぽんぽん。
汗を拭く振りをして(ちなみに二人とも長袖です。確かロケ日は結構寒かった……ような)
顔を隠す宇治原さん。
この時の菅ちゃんがまたなんというかもう。もう!
完全にこちらの妄想でしかないんですが、宇治原さんの色々な葛藤とかを全部分かった上で
お前はそれでええんやで、という励ましと、ツッコミ辛いボケ言ってごめんな、という謝罪が
あのぽんぽんに表れていたんじゃないのかなあ、とか勝手に思ったりしています。


そういえば先日の立命館の時にDさんとお話しさせていただいたんですが、その中で
昔の宇治原さんはもっとアグレッシブに突っ込んでいたよね、という話になりました。
実際過去の映像を見ると結構菅ちゃんの頭を叩いてたりとか、しかもかなり強めだったりとか
今ではあまり見られない光景に、最初は本当にびっくりしました。
ただそれって、あくまで妄想でしかないですが、それこそ若い頃は『お笑いとはこういうものだ』
と思っていたからなんじゃないのかなーと思います。ツッコミは力強く頭を叩くものだ、と。
そもそもお笑いにそんな興味もなくてあまりお笑い番組も見ていなかったという宇治原さんが
まず周囲を真似て周囲と同じようにやる、というのはごく自然な事ですし基本的なことでもある
わけです。そして周囲を見てみたら強めにばしばし頭を叩いているから、ああツッコミって
こうやるんだなーと素直に受け入ればしばしと。
実際その当時のって、映像もこま切れでしか見れないので勝手に推測するしかないんですが
かなり必死感は漂っているなと見てて感じるんですね。まあそりゃ必死にならなきゃ
生き残っていけないんだから当たり前だろうとは思いつつ。
で、必死になってやっていたけれど、次第に経験も積んできて自分達のスタンスも分かるように
なってきて、別に勢い良く頭を叩かなくてもツッコミは出来るし笑いも取れる、ということに
気付いてきて、それで今の優しい感じになってきているのかなーと思ったりします。
で何で突然こんな話をし出したかと言いますと、上の方で宇治原さんという人は
ツッコミに向かない性格をしていると書きましたが、だからこそ独自性を生み出せるんじゃ
ないのかなーとも思ったんですね。
上に書いたロングテールでのやり取りも、宇治原さんも菅ちゃんの意見に乗っかる方が
笑いとしては大きかったのかもしれないなとは思うんですが、でも宇治原さんはそうしない、
出来なかったと。ただでもそれが既存の枠に囚われない新しい笑いを生みだすことにも
なるのかもしれないなあ、と思ったりもしました。
ロザンというコンビはそもそも、お笑いなのに高学歴、という既存のスタンスから外れた
ところからスタートしているわけですけども、二人ともそんなにお笑い番組見てこなかったとか
宇治原さんがあんまりツッコミ向けの性格ではないとか、そういう色々もまた、ロザンという
コンビの独自性を生み出しているんじゃないのかなと思ったりもしています。
実際先日の立命館だってロザンだから呼ばれた、という気もしますしね。
介護動画にしてもそうですし。何でこれに?というものに呼ばれる事が多いロザンですが
二人の独自性を考えるとそれもそうだなと納得したりもします。

数学の方程式は原則答えは一つですが、笑いの方程式は答えがたくさんあるので
その中でロザンが、こういう答えもあるのかー!というのをこれからも生み出してくれる事を
密かに期待していたりします。
やっぱ好きだわーロザン(結局ここに落ち着く)。


そういえば今日のぷいぷいは色々すごかったとか。
道案内で菅ちゃんが宇治原さんの耳をぺちぺち叩いたとか。
なんだそれうああああああああー!
家帰ってからツイッターでチェックして絶叫しましたさ(笑)。
そういえば仕事中ちょこちょこと携帯でツイッター見てぷいぷいの実況を楽しんでたんですが
道案内直前に電池が切れまして(笑)。
ええー、と思っていたのですが、今考えると切れて逆に良かったのかもしれないです。
職場で読めなかったわあんなん(笑)。
関連記事
スポンサーサイト

category: ロザン

tb: 0   cm: 6

コメント

1. 激しく同意!


梓さん

今回の内容ものすごく共感です。
私が言いたい事言ってくれた~(笑)
「よーいドン」の自転車の回については
宇治原さんはつっこまなくてはいけない場面でも
やっぱり菅ちゃんをけなす事はしたくないんだろうな~(笑)
お笑いのつっこみとしては不正解かもしれませんが
それが宇治原さんだと思います。
それでいいんです!!

菅ちゃんもそういう宇治原さんを理解して
生かすプロデュースをしてロザンが成立してるんだな~と思いました。

なんだかロザンについては
いろいろ想像してしまいますね~
またそれが楽しいという(笑)

ミキティ #79D/WHSg | URL
2010/05/12 22:31 | edit

2. ありがとうございますー!


>ミキティさん
こんばんはー。
賛同していただけて嬉しいです。ありがとうございます!
とはいえまさにミキティさんに頂いたDVDがなかったら
書けなかったですから。この日の日記は。
宇治原さんは時々、芸人としては突っ込まないといけない
部分でも突っ込まなかったり、ツッコミが甘いなーと
思ったりもするんですが(何様だ)、まさに、それが宇治原さん!
なんですよね。ほんと、それでいいんだと思います。
菅ちゃんは菅ちゃんで、一番宇治原さんの事を知って
いるし、まさにこの2人だから出来るお笑いがあるんだ
よな、と思ったりします。
ほんと、色々想像するのが楽しいんですよねー。
なのでついつい長文書いてしまいます(笑)。

海老原 梓 #79D/WHSg | URL
2010/05/12 23:29 | edit

3. わー、すごい


いつも海老原さんの見解には深く感銘を受けさせられます。

宇治原さん無言→菅ちゃんぽんぽん、の流れは見ていてどういう考えでやっているのかよく分からなかったのですが、そう考えると素敵ですね。

言われてみると宇治原さん、結構じっくり考えてからつっこんだり無言だったりが多い。
デビュー当時はマネージャーにガンガン駄目出しされる位ツッコミが下手らしかったですし(笑)

でも結局私もそんな二人の醸し出す、緩い空気感が大好きです(^^)

りんご #79D/WHSg | URL
2010/05/13 00:21 | edit

4. 確かに緩いですよね(笑)


>りんごさん
こんばんはー。
見解というより完全に妄想なんですが、そう言っていただけると
嬉しいです。ありがとうございます。
菅ちゃんのぽんぽんはすごい優しい感じで宇治原さんを
慰める雰囲気だったので、きっとそうなんだろうなあ、
とか勝手に思ったりしました。
デビュー当時の件は全然知らなかったです。ツッコミは
努力でどうにかなる部分が(ボケより)大きいので、
きっとすごい頑張ったんでしょうねー(もちろん菅ちゃんも
ですが)。
先日のぷいぷいでは友達同士みたいと言われていた
ようですが、私もそんな二人の雰囲気が大好きです。

海老原 梓 #79D/WHSg | URL
2010/05/13 01:10 | edit

5. 初めまして


初めまして!海老原さんの文章や分析が大好きで、いつも拝見しています。
実は、宇治原くんもうちょっとツッこめないかな、と思ったことが何回かありまして、
以前何かの番組で
「(ネタで)宇治原芸人向いてない!」という流れになり
「芸人やってみてどうなの?」と言ってきた円さんに対して言葉がつまり、円さんから「すまん」と言われてたことがありました。
その時は「円さんはツッコミ待ちなんだからちゃんとつっこんで!」とやきもきしてしまいましたが、
海老原さんの見解を拝見して
「この優しい感じのツッコミで笑いが成り立つ日がきっと来る」と思わせていただきました。
ありがとうございました。

momo #79D/WHSg | URL
2010/05/13 08:49 | edit

6. 初めましてー


>momoさん
初めまして。コメントありがとうございます。
そしていつも見てくださっているそうでありがとうございます。
円さんに、ということは「よーいドン」辺りでしょうか。
あの番組にしてもぷいぷいにしてもそうですが、宇治原さんの
良さをちゃんと分かった上でいじってくれるのがファンとしては
嬉しいなーと思っています(いや、こっちでは映らないので
見せていただいたりレポで読んでの感想ですが)。
笑いというのは時に人を傷つけてしまう側面もあって、
そういう意味で優しい宇治原さんにとって難しい部分も
あるとは思うのですが、菅ちゃんと2人なら新しい方向性を
見いだしてくれるだろうなという期待もあります。
本当に目が離せないというか、これからが楽しみな人達
だなと思えて、それが楽しいなと思えたりします。

海老原 梓 #79D/WHSg | URL
2010/05/13 21:06 | edit

コメントの投稿

Secret

トラックバック

トラックバックURL
→http://ebiazu.blog.fc2.com/tb.php/135-6aefa5e8
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)